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Let It Be
僕がどうしようもないくらい悩んでいるとすっと僕の前に母が現れた
そして、とてもとても素敵な言葉をコトバをくれたんだ
あなたが感じたままに、あなたが思うままに
あなたらしく生きればいい
僕が先も見えないくらい程の暗闇に閉じ込められていると
すっと僕の耳元に母が現れた
そして、とてもとても明るい言葉をコトバをくれたんだ
あなたが感じたままに、あなたが思うままに
あなたを見失わずに生きればいい
だから
今こそ
僕も唱えてみるんだ
僕が感じたままに、僕が思うままに、って
不思議だね
僕らは本当に本当に傷ついて
心が壊れるくらいの痛くてつらい想いをしたのに
僕らが辿り着いたのは
みんな同じ答えだったんだから
そう、みんな、たったひとつの答えに
あなたが感じたままに、あなたが思うままに
あなたが決めた道を生きればいい
だけど
決めた道を行くというのは簡単なことじゃない
だって言い換えるなら
それは僕らが離れ離れになるということだから
それでもね、そこに別れがあったとしてもね
僕はまだ残っていると思う
もう一度、僕らがわかりあえる時が来る可能性が
だから僕はひとつの答えを心に持ち続けようと想う
あなたが感じたままに、あなたが思うままに
あなたが信じたいことを信じて生きればいい
深い深い夜で
さらに厚い厚い雲に覆われていても
まだ僕には一筋の光が確かに届いている
そしていつか奏でられた音楽で朝を迎える日が来るならば
また、すっと僕の前に母が現れると思う
そして、とてもとても言葉をコトバをくれるに違いない
あなたが感じたままに、あなたが思うままに
あなたらしく生きていてよかったでしょ?
だから
今こそ
僕は唱えてみるんだ
僕が感じたままに、僕が思うままに、って
そこにあるのはたった一つの答え
あなたが感じたままに、あなたが思うままに
ジョンレノンさま
あなたが感じたままに、あなたが思うままに
この世界をずっと見守っていてください
70歳おめでとうございます
Let It Be(原文)
When I find myself in times of trouble
Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom, let it be.
And in my hour of darkness
She is standing right in front of me
Speaking words of wisdom, let it be.
Let it be, let it be.
Whisper words of wisdom, let it be.
And when the broken hearted people
Living in the world agree,
There will be an answer, let it be.
For though they may be parted there is
Still a chance that they will see
There will be an answer, let it be.
Let it be, let it be. Yeah
There will be an answer, let it be.
And when the night is cloudy,
There is still a light that shines on me,
Shine on until tomorrow, let it be.
I wake up to the sound of music
Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom, let it be.
Let it be, let it be.
There will be an answer, let it be.
Let it be, let it be,
Whisper words of wisdom, let it be
紫陽花が雨で奏でる春への別れ
紫陽花が雨で奏でる春への別れそんな季節の話
窓に写るは雨に打たれるオープンテラス
規則正しく並べられた白いテーブルと椅子に混じって
紫陽花は雨でより一層妖艶さを増していた
久しぶりの再会は
そんな都内某所のカフェだった
奥から三番目の窓際の席
昔と同じように君と向かいあう
君はオレンジピールの入ったダージリン
僕はキャラメルマキアート
限りなく表層の部分は少しも変わっていない
平日の午後3時
客足の途絶えた店内には
マスターが暇潰しに捲る新聞の音が
不規則なリズムで響いていた
君は何も語らない
僕も何も語らない
二人に降り注ぐ時間は
音もなく最後の一幕を閉じていく
言葉を奏でる隙も与えられてくれなかった
それでも雨で花を揺らし
可憐に咲き誇るは紫陽花
紫陽花が雨で奏でる春への別れ
あんなに可憐に咲きながら
あんなに可憐に咲きながら
我輩。
コーヒーの匂いがかすめたから朝だと気付くのにそう時間はかからなかった
朝はゆっくりしたいから、って
必要以上に早く目覚める君
根拠のない低血圧を理由に
これまでの人生を生きてきた僕には信じられない光景だ
朝を独り占めしたかのように
その時間を楽しんでいるのかと思いきや
今日も泣いた涙の後が傷のように残ってる
まだ泣いているの?
もう充分じゃない?
いつも以上にいつもを演じる君
僕はつらくてその顔を見てられないから
そっと君の横に座って
一緒にテレビに映るニュースキャスターを眺めるんだ
そうしているうちに
君はいつのまにか化粧も着替えも終わっていて
僕は君を見送りにいつもどおり玄関へ
君は決まって僕を三回撫でてから玄関をでる
僕は素直に受け入れる
僕は人間の言葉はわかるけど
自分では喋ることができないから
おとなしく見送るしかできない
けどいつでも君の帰りを待ってるからね
どんな時も君の帰りを待ってるからね
だから安心して、いってらっしゃい
僕は君の心のペット
いつでも君を見守るペット
誰が作ったかわからない詩
誰が作ったかわからない詩が語り継がれるように
どんな戯れ言を並べたって
結果がすべてなんだ
結果よりも大切なものを語る者が現れたのなら
まずは疑って間違いないだろう
それは疑いようのない結果
あるぬいぐるみの証言
君は珍しく長電話をしているそして大粒の涙を溢しながら
沈黙だけが続いている
僕はくまのぬいぐるみ
だからこうしてベッドの上から
君を見ていることしかできないけれど
いつも君を見ていることしかできないけれど
だからこそ
いつも見ているからこそ
僕は断言できると思う
きっと君は悪くない
およそ僕の知らないところで
何があったかはわからないけど
きっと君は悪くない
東京-大阪間の車内にて
東京-大阪間の車内にて眠りもせずに窓を見る
昨日買ったガムを噛もうとしたけれど
鞄の中に散乱していたから
噛もうとした気持ちさえなくなった
名古屋駅で停車すると
ホームにマスクをした老婆がいた
そうかそろそろ花粉が飛ぶ季節かと
花粉症が酷かった君のことを思い出す
こんなにも春の日差しが気持ちいいのに
そう言って無理矢理窓を開けようとする僕を本気で嫌がった
思えばそんな些細なことでも君を理解しようとしなかったんだ
老婆が姿を消した頃
ゆっくりと新幹線は走りはじめた
窓はすぐに目まぐるしく移り変わる景色を映し出した
きっと僕は忙しさという速さに甘んじて
この一瞬しか映らない景色と同じくらいしか
君のことを見つめていなかったんだと思う
君の顔を思い出せない日々に何も違和感はなかったんだと思う
だから君はいなくなった
どこかの停車駅に君を置いてきた
それすらも気づかなかった
東京-大阪間の車内にて
もうすぐ大阪に着くとの案内が車内に流れる
でてくれるかわからないけど
駅に着いたら君に電話をしてみよう
鞄に散乱したガムを
集めてポケットにしまった
降りる準備は整った
東京-大阪間の車内にて
花粉は窓に遮られ
暖かな春の日差しだけが注ぎ込む