コトバ

交差点

駅を降りてすぐの巨大な交差点

君と手をつながずに渡っている

お互いが干渉されること嫌うから

後ろに微かな存在を感じながらも

振り返らずに自分のスピードで

真っすぐ前を向いて歩いている



来月、友人が結婚するらしい

お祝いの言葉は何を言おうか

そんなことを考えながら

ふと交差点の中央で立ち止まる



振り向いても君はいない

どこへ君はいったのか

君を探しにいこうにも

どちらへ進めばいいかもわからない


そして君は去っていった


はぐれないように

君の手を

はぐれないように

いつまでも

でももう遅い

十字に交わる交差点