コトバ

工場

雲の隙間に

梯子をかけて

切り裂かれた碧の裏側を見る

すると撥条仕掛けの古びた滑車が

鈍い音を立ててまわっているのがわかるだろう

時を止めるのは

わりと簡単なことなんだ

時を回すのが

わりと大変だったりするんだ

コトバ

マネキン

ディフォルメされた自分を作成してみたが

涙は唯一正直な色だった

コトバ

フロート

浮かんで

浮かんで

微笑みフロート

滲んで

滲んで

溶けていく、限りないほど混ざってく

そっと

そっと

ゆっくり、やさしく、包んでく、包まれる