コトバ 写真

滑走路

滑走路にいる女性は

これからどこに飛び立つか

わからないまま

走りはじめていた


別に仕事に生きる人生を望んではいない

むしろ幸せな家庭が作れれば

仕事なんてどうでもいい


しかし滑走路は用意されていた

飛び立つことは決められていた


母も父も

飛び立つことを

期待して待っている


だから走りはじめた

滑走路に留まっていれば

周囲に不安がたちこめるから


おそらく飛び立てば

それでいいのだろう

行き先は関係ないのだ

世間体を保てればそれでいいのだ


もうすぐ滑走路から足が離れる


空を飛ぶことと

墜落することは

私にとって同じこと