コトバ

旅人

荒れ狂う時の嵐に

一隻の舟も浮かべずに

僕は旅せぬ旅人

君に伝えられぬままに

コトバ

くるくる

テレビをつけた

コメディアンがいつものように笑わして

アイドルがいつものように歌を歌う

評論家はいつものように詭弁をはき

キャスターはいつものように原稿を読み上げる

穏やかに廻る世界の歯車は今日もいつもどおり

ここに極限状態に陥った人間がいたとしても

廻り続ける

くるくると