コトバ

舞踏会

12時になると消えてしまうから

極度の緊張の中で

君を覚えたんだ

コトバ

ヤチョウゼッカ

夜蝶のように空を舞う

雪華のような危なさで

コトバ

言葉の無駄

すまないことなんてしてないけど

ちょっとすみません

もうしわけないとおもってないけど

もうしわけないですが

ひとことだけじゃないけど

ひとこといいですか?


そして未だに話は始まらない

コトバ

潜伏期間

果てなく泳ぐ

笑顔の水面下

コトバ

なみだだま

零れた涙を探しに行こう

その涙にはきっといろんな思いが詰まっているはずだから

コトバ

目に写るこの赤は

きっと人間にしか赤に見えなくて

猫も蝶も鴉も鯔も

赤に見えないのかもしれない

きっと僕らは観察可能な小さな世界を真実と呼び

真実に酔いしれて生きているんだ

真実を知ることが必ずしもいいとは限らない

真実を知ることでいくつもの大切なものを失くしてきた

夢とか希望とかそういった類のものを山ほど失ってきた

だから

これからは

この狂信的に知識を追い求める世界に洗脳されすぎずに

失ってきたものを今一度追い求めていこうと思うんだ

コトバ

アゲハ

君がとても美しいから

ガラス箱に大切にしまっておいたんだ

すると君は死んでしまった

死んでしまったんだ