2005年5月15日日曜日

コトバ

彼が物語るここ一週間の行動

夢中に悩む

そういう選択

2005年5月15日日曜日

コトバ

忘れ物

ちゃんと消えていない煙草の灰

仄かに残る君の香水

全部、君の忘れ物

2005年5月15日日曜日

コトバ

コンビニ

コンビニで君と二人で買ったチョコレートを見つけると

嬉しそうにはしゃいでいる君の笑顔が浮かぶんだ

2005年5月15日日曜日

コトバ

ジュブレシャンベルタの2001年もの

正常な異常

現実という幻覚

壊れた夢の残骸の上を歩くと

骨が軋む音がした

2005年5月15日日曜日

コトバ

プラスチック

黒に白いストライプの入ったスーツに

赤いネクタイをして

二つの小さな穴をあけた紙袋を頭にかぶった男

革製の黒い手袋をして

椿の枝をさした透明な硝子の花瓶を持ち

草原の中で立っていた

鳥と風の会話を邪魔しないように

身動きせずに立っていた

2005年5月15日日曜日

コトバ

スコール

雷の轟音とともに突然の雨

濡れた黒髪

滴る雫

そしてどうするか考えた

手遅れじゃない

2005年5月15日日曜日

コトバ

ミヒャエル・エルビーネの午後の憂鬱

隠す

そして

食べる

本音の取り扱い説明書

2005年5月15日日曜日

コトバ

タンバリン

タンバリンを叩く

するとリズムが生まれる

ただそれだけ

君が思う

すると人と繋がる

ただそれだけ

2005年5月15日日曜日

コトバ

忘却への招待

せめてもの救いは

忘却へといざなう

この忙しさ

2005年5月15日日曜日

コトバ

着飾るということ

真っ白なワンピース

裾は炎で焦げていた

2005年5月15日日曜日

コトバ

理性

まるで生き物のように

脳の中を駆け回る

ひどく冷たい理性

2005年5月15日日曜日

コトバ

うるさいんだよ

身の内に潜む抑えきれぬ衝動

うるさいんだよ

少しの間、黙っていてくれ

2005年5月15日日曜日

コトバ

午前1:30の真実

絶対はない

あるとすれば歪みだ

2005年5月15日日曜日

コトバ

指揮者

多くの観客を背負って

繊細な旋律を奏でた

これが自分だ

楽譜の上に載った単なる音符じゃない

これが自分だ

2005年5月15日日曜日

コトバ

コインとウルトラマリン

ずっとにぎりしめていた2枚のコイン

ウルトラマリンを溶かした海を目がけて

思い切り、思い切り投げてみた

それは数学の教科書にのっていた放物線の形を描いて宙を舞い

小さな音をたてて、沈んでいった

もう見つかることはないから

ゆっくりおやすみ

2005年5月15日日曜日

コトバ

スニーカーの泥

嫌いにならないで

そこにそうやってたたずんでいるのも

目をそらさずにちゃんと見つめて

そのスニーカーについた泥は

道をはずしてない証拠なのだから

2005年5月15日日曜日

コトバ

愚痴

知って欲しいが

そっと飲み込む

2005年5月15日日曜日

コトバ

緑茶

緑色に濁るその液体は

今日一日分の時間の蓄積を削除した