コトバ

環状線

オレンジの街灯が

真っ暗なアスファルトを照らす

想い出はやってくるものじゃない

作るものだ

夜の空気が嫌に恐かった

コトバ

真っ白なジャンボジェットが

夏空を泳ぐ

ここから君をみると

蟻よりもゆっくりとしたペースで

とっても気持ち良さそうなんだ


ラララ

ラララ

鼻唄なんか聞こえそう


そんな眩しい君を目指して

僕は真っ白な自転車を力いっぱいこいだんだ

坂もでこぼこ道も関係なく

力いっぱい


そしたら

思いきりの笑顔の

ひまわりに出会えたんだ


ここは楽園

夏の隙間に見せた

ほんの一瞬の楽園

コトバ

茜に染まった空模様

茜に染まった君のほっぺ

素敵な素敵な宝石は

いっぱい散らばってた

コトバ

生きる

心地よい苦しさを

薄っぺらい情熱を

適度な惰性を

コトバ

火傷

気付いた時にはもう火傷

危なかっしいったらありゃしない

フライパンの端の端

コトバ

どんなに埃に埋もれても

砂漠に咲いた一輪の華は

深海魚が太陽から逃げる

そのずるさに

苛立ちながらも

立ち続けることをやめなかった

どんなに埃に埋もれても

コトバ 写真

だれ

鏡に写る君はだれ?

昨日までの君はどこ?


唇を噛んで食いしばってる姿より

今の方が素敵だよ

コトバ

へんてこ

へんてこなきもち

でもね

ぼくにとってはしっかりしたきもちなんだよ

ほら

じぶんだけがどこにあるか

わかってるかたづけってあるでしょ

あれとおんなじ

コトバ

音楽

そっと奏でられた音楽

まだイントロもはじまってないけど

すばらしいサビにしよう

コトバ

知ってるからね

知ってる

そう知ってる

他人という距離感

決して埋められない距離

それに翻弄されてるだけ

そんなこと言われなくても

わかってるさ

コトバ 写真

ある日の手紙

君が見る世界

君が彩る世界


出逢いは君の新しい絵の具

経験は君の新しい絵筆


知りすぎてしまえば

塗ることをやめてしまうだろう


君色に塗る場所を

どうか失わないで

コトバ

幸せの絶頂期

幸せの絶頂期

それは放物線のような綺麗な線を描かずに

ウォークマンのイヤホンをグジャグジャにバッグに入れた時の

あの絡み具合のそれと同じように

図り知ることのない複雑さを呈しているから

どれが幸せの絶頂期か

わからないまま終わっていくんだ

でもどうか

逃す前に

掴んでください

コトバ

夢を現実に

そこには多大なる障害と

多大なる喜びが

満ちあふれている

夢を見ていたのかな

夢であればいいのかな

堂々巡り

コトバ

パンチ!

あいつにパンチ!

怒ってるとかそんなんじゃなくて

おもいっきりパンチ!

ネジがはずれていくのがわかるんだ

素手でパンチ!

もう壊さないでくれ

パンチ!パンチ!パンチ!

コトバ

ユートピア

だから人込みが嫌いなんだよ

お前、押して来るなよ

お前、歩くの遅ぇよ

お前、こっち見んじゃねぇよ

お前、話し声がうるさいんだよ

お前、居眠りして頭ぶつけてくるんじゃねぇよ


どこだよ、ここは

ユートピアだって聞いたから来たんだよ


不死鳥もいねぇし

ペガサスもいねぇ


虹色の琴もねぇし

オーロラの絨毯もねぇ


結局、ここにあるのはみんな壁だ

お前らはみんな壁だ

壁だ、壁

コトバ

反比例行動

君の

反比例行動

説いただす自分も、実は

反比例行動

コトバ 写真

無謀

無謀

そう言われるくらいの

勇気をください

コトバ 写真

シークレット

この気持ちは

トップシークレット

誰にも教えてあげないよ

コトバ

シャボン、またね

たくさんのシャボンは

空の暖かさを感じながら

花の形をうつしながら

風の音を聞きながら

水の色を見ながら

炎の輝きに驚きながら

時間の遥か彼方へ

弱々しく飛び続けたんだ

コトバ

らしく

らしく

そう、らしく

こだわらずに

でも、こだわって

らしく

コトバ

水色電話

ダイヤルもなければ

話し口もない

君にだけにつながる

世界でひとつの電話

コトバ

歌詞カード

歌詞カードがないから

このサビで何て言ってるのか

何回聞いてもわからないんだ

一番伝えたいことなんだろうけど

伝わってこないんだ

結局みんなそんなもんかな

コトバ

最高気温

今日の最高気温は

昨日より5度も低いらしい

どうりで寒いわけだ

厚着をしてくれば

こんなに体温を奪われることはなかったろう

瞳の色も限りなく冷えきってしまった

もう何も映らない

優しささえも

コトバ

バス停

時刻表のないバス停

もう行っちゃったのかな

まだ行っちゃってないかな

戸惑う心と信じる心を織り交ぜ

日傘をさしながら

待ち続ける

初夏の午後

コトバ

ガラスの破片

この鋭く尖った破片

触れれば指を切ることは十分わかっているんだ

でも美しすぎて

コトバ

ケーキ

さてこのケーキを何等分にしようか

コトバ

教えて

だれも教えてくれない

雨の降るわけを

コトバ 写真

紫陽花が雨に打たれて夏を呼ぶ

紫陽花が雨に打たれて夏を呼ぶ

そんな季節の話


夕食を食べ終えた二人は

ソファーに深々と座り寄り添っていた


いつも威勢がいい君を

冗談で攻立てた

笑いながら笑いながら

君のリアクションを楽しんでいたのに

でも君は途中で諦めて

ごめんなさいと謝った


今度は君を楽しませようと

冗談でわかりきった嘘をつく

君は嘘を信じたふりして

笑いながら笑いながら

君との会話を楽しんでいたけど

途中でそんな自分に疲れてしまい

嘘で笑わせることをやめた


二人が作った空気の間を

虚しく流れるテレビのニュース

今日も子供が人を殺めたらしい


食卓にはデザートで出された赤い西瓜

一口も食べられずに残されていた

あと一時間後には

生ゴミの袋へ捨てられているだろう


お風呂からあがってくると

君はすでに眠りにおちていた

少しの笑顔もない顔で

君は夢の何処かを彷徨っていた


カーテンを閉めて

冷蔵庫に入っていた

野菜ジュースを飲んで

そしてこの前 処方された

精神安定剤を飲んで

君のとなりに静かに横たわる



二人に降り注ぐ時間は

せっかく作った砂のお城を

無表情に壊す雨のように

残酷に二人を裂いていく


でもそんな雨に打たれても

可憐に咲き誇るは紫陽花


紫陽花が雨に打たれて夏を呼ぶ

あんなに可憐に咲きながら

あんなに可憐に咲きながら