コトバ 写真

雪の笑顔


天気予報では今日は雪だって

やけに寒い風が吹き抜ける

ちらちらと粉雪が空を舞いはじめて

僕等の深い傷に染み込んだ


吐いた息が白く前を霞め

一瞬君の顔が薄れていく

冷えきって震えてる君のその細い肩を

温めるのはもう僕じゃない


夢見た理想と現実を近づけることに夢中になりすぎて

忙しい毎日の中で恋愛は影を潜めていった

気付くと君の笑顔は他の誰かのもの



だから僕を忘れて

頬に伝わる涙とめて

僕はこれ以上君の優しい笑顔に傷をつけたくないから


この降りしきる雪が君のマフラーを白く染める

そして雪化粧した君は静かに僕にそっと呟いた

ごめんね、と




いつの間にか雪は姿を消し雲が月から逃げてった


二人に残された希望の光

それは別れることだけで

さよならの言葉雪に混ぜて僕らは互いに歩きだした

二人が歩む足跡には歯痒さが埋もれていた



僕は君を忘れない

例え君が僕を忘れても

雪は明日にもすぐに溶けてしまうだろう

君もそこにはもういない


君が最後に見せた涙に濡れた雪の笑顔

別れの時までずっと君は優しく

僕にそっと呟いた

ありがと、と




時計の針が止まる頃に

今を振り返れるのなら

僕は疑わずに言えるだろう

確かに幸せだったと




だから僕を忘れて

頬に伝わる涙とめて

僕はこれ以上君の優しい笑顔に傷をつけたくないから


この降りしきる雪が君のマフラーを白く染める

そして雪化粧した君は静かに僕にそっと呟いた

ごめんね、と

コトバ

サラリサラリ

時は流れて幾星霜

今宵は満月

かくも輪郭は明確なのに

水面にうつるは焼け爛れた朧月

ドウシテボクヲウツセナイノ?

ドウシテアナタニウツラナイノ?