我輩。

2010年5月24日月曜日

コトバ

コーヒーの匂いがかすめたから

朝だと気付くのにそう時間はかからなかった

朝はゆっくりしたいから、って

必要以上に早く目覚める君

根拠のない低血圧を理由に

これまでの人生を生きてきた僕には信じられない光景だ


朝を独り占めしたかのように

その時間を楽しんでいるのかと思いきや

今日も泣いた涙の後が傷のように残ってる



まだ泣いているの?

もう充分じゃない?



いつも以上にいつもを演じる君

僕はつらくてその顔を見てられないから

そっと君の横に座って

一緒にテレビに映るニュースキャスターを眺めるんだ

そうしているうちに

君はいつのまにか化粧も着替えも終わっていて

僕は君を見送りにいつもどおり玄関へ


君は決まって僕を三回撫でてから玄関をでる

僕は素直に受け入れる



僕は人間の言葉はわかるけど

自分では喋ることができないから

おとなしく見送るしかできない

けどいつでも君の帰りを待ってるからね

どんな時も君の帰りを待ってるからね

だから安心して、いってらっしゃい


僕は君の心のペット

いつでも君を見守るペット