コトバ

我輩。

コーヒーの匂いがかすめたから

朝だと気付くのにそう時間はかからなかった

朝はゆっくりしたいから、って

必要以上に早く目覚める君

根拠のない低血圧を理由に

これまでの人生を生きてきた僕には信じられない光景だ


朝を独り占めしたかのように

その時間を楽しんでいるのかと思いきや

今日も泣いた涙の後が傷のように残ってる



まだ泣いているの?

もう充分じゃない?



いつも以上にいつもを演じる君

僕はつらくてその顔を見てられないから

そっと君の横に座って

一緒にテレビに映るニュースキャスターを眺めるんだ

そうしているうちに

君はいつのまにか化粧も着替えも終わっていて

僕は君を見送りにいつもどおり玄関へ


君は決まって僕を三回撫でてから玄関をでる

僕は素直に受け入れる



僕は人間の言葉はわかるけど

自分では喋ることができないから

おとなしく見送るしかできない

けどいつでも君の帰りを待ってるからね

どんな時も君の帰りを待ってるからね

だから安心して、いってらっしゃい


僕は君の心のペット

いつでも君を見守るペット

コトバ 写真

アンドロメダ

僕が生きるこの銀河と

仮想の僕が生きるアンドロメダ

現実世界で星が星を呼び銀河を作り上げるように

僕のアンドロメダももう随分と大きくなった

いつかひとつの銀河へと結びつく日はくるのだろうか

コトバ

記憶の香り

記憶が香った

甘酸っぱくて

ちょっと苦い香り

コトバ

運命と未来と犯罪と平和と現実

運命とは束縛の種類

未来とは空想の種類

現実に持ち込んだところで無意味

解き放つことは犯罪

埋もれることが平和

現実という秩序はそうして保たれる

コトバ

誰が作ったかわからない詩

誰が作ったかわからない詩が

語り継がれるように

どんな戯れ言を並べたって

結果がすべてなんだ

結果よりも大切なものを語る者が現れたのなら

まずは疑って間違いないだろう

それは疑いようのない結果