コトバ
間違いのない世界で
間違いを悔やみ続ける
すべてを数量で測れない世界で
必死に法則を見出だしている
事実
そう、事実
確かな確かな行為
コトバ
写真
じゃあね
もう会わないことを確信して
じゃあね
焚き火の後に水をかけるように
じゃあね
人生の中で
本当のさようならを言う機会は
それほどない
でも本当のさようならをすべきときは
心の底から言わなければならない
じゃあね
またね のない じゃあね を
コトバ
雲の隙間に
梯子をかけて
切り裂かれた碧の裏側を見る
すると撥条仕掛けの古びた滑車が
鈍い音を立ててまわっているのがわかるだろう
時を止めるのは
わりと簡単なことなんだ
時を回すのが
わりと大変だったりするんだ
コトバ
ディフォルメされた自分を作成してみたが
涙は唯一正直な色だった
コトバ
浮かんで
浮かんで
微笑みフロート
滲んで
滲んで
溶けていく、限りないほど混ざってく
そっと
そっと
ゆっくり、やさしく、包んでく、包まれる