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Archives for 3月 2019
コトバ
写真
行き先は決まっていない
考えがまとまっていないから
考えをまとめようとも思っていないから
仕事に支配された体は
常に物事を整理しがち
でもそこに楽しさはない
行き先は決まっていない
それでこそこの瞬間を楽しめる
コトバ
写真
ちょっとだけ
それくらいの気持ちで
ちょっとだけ
休憩します
ちょっとだけ
お菓子を食べます
ちょっとだけ
横になります
ちょっとだけ
贅沢をします
ちょっとだけ
この世界を好きになってみます
コトバ
写真
どこかで貴方とすれ違っても
貴方を見つけることはないでしょう
たとえ貴方が視界に入っても
たとえ貴方が話しかけてきても
貴方を見つけることはないでしょう
コトバ
写真
電車に乗れた人は
きれいな別れはあると言った
電車に乗れなかった人も
きれいな別れはあると言った
二人は別れた
でも決定的に立場が違う
きれいな別れなど存在しない
無理して耐えている人がいるだけ
電車に乗れなかった人は
いつまでも見送っていた
とても素敵な光景だった
コトバ
写真
世界の本質は
視点の組み合わせ
ひとつの出来事を
どう捉えるかは
視点の違い
私たちは
とても限られた視点で
暮らすことに慣れている
新しい世界はそこにある
鍵を開けるには
隠れた視点を探すだけ
コトバ
写真
勝手に人を考察し
定義づけするのはやめてください
貴方のような
浅はかな人間に
できることではないのです
定義しないと不安なのでしょう
そうだと思います
貴方はその程度のレベルの人間ですから
赤ちゃんは
微笑みかければ
微笑み返してくれる
貴方にはできない
それが全てです
コトバ
写真
未知数の課題の山をそのままに
トンネルは向こう側まで繋がっていた
解決はしていない
でも現状は乗り切る
その答えはトンネルだったのだろう
気がつけば
縦横無尽にトンネルは貫き
崩落寸前である
この国の政治家というモグラは
今日もヤジをとばしながら
トンネルを堀り続ける
コトバ
写真
平穏という幸せ
変化という不幸
生きていれば
不規則なrippleが
鼓動よりも早い振動でやってくる
おそらくこの世界の
ひとりひとりに原点があり
rippleは常に生み出され
rippleは干渉しあっている
拒絶しようとしても
他人と接すれば
rippleに干渉される
平穏という幸せ
変化という不幸
どうか静寂な海が続くように
コトバ
写真
滑走路にいる女性は
これからどこに飛び立つか
わからないまま
走りはじめていた
別に仕事に生きる人生を望んではいない
むしろ幸せな家庭が作れれば
仕事なんてどうでもいい
しかし滑走路は用意されていた
飛び立つことは決められていた
母も父も
飛び立つことを
期待して待っている
だから走りはじめた
滑走路に留まっていれば
周囲に不安がたちこめるから
おそらく飛び立てば
それでいいのだろう
行き先は関係ないのだ
世間体を保てればそれでいいのだ
もうすぐ滑走路から足が離れる
空を飛ぶことと
墜落することは
私にとって同じこと
コトバ
写真
もうやめにしよう
一生懸命
お互いが向き合って
妥協点を探してきた
しかしその一言は
全ての終焉を表す言葉だった
もうやめにしよう
会話は終わった
それは心を通わせる
最後の会話だった
コトバ
写真
セットされたタイマーは
設定された時刻どおりに鳴った
それはあの時想定された未来であり
ただその未来がやって来なかっただけ
セットされたタイマーは
喜びも悲しみも
お構い無く鳴り続ける
コトバ
写真
すべてが時刻どおり
少しもミスのない世界を望み
他人のささやかなミスが許せない
正確さは時として
人間らしさを破壊する
コトバ
写真
まるで溶けない
アイスクリームのよう
あの頃みたいな気持ちは
今はもうなくて
ずっと冷たいまま
泣きたくないから
笑うことをやめたんだ
溶けないアイスクリーム
食べられることもなく
冷凍庫の奥で身を潜める
コトバ
写真
ひなあられみたいに
咲き誇る花びら
何度も通ったこの道は
淡く甘い想い出を
色鮮やかに写し出す
もう戻れないあの頃
抱いていた夢や希望は
また別の色を放ちながら
この道を照らし続ける
コトバ
写真
良き人生とは
人様に迷惑かけずに
人様から迷惑をかけられずに
穏やかに
その日を迎えること
コトバ
写真
あのね
こぼれそうな笑顔で
君はとっておきの話を切り出す
あのね
ずっとこの瞬間を待ち望んでいたように
君は聞いて欲しい気持ちが先走る
あのね
そう言って話しはじめる君を
今日も思い浮かべながら
帰りの電車を待っている