さよなら

2006年8月21日月曜日

コトバ

他人を批判することで

自我によく似たものを手に入れてきた

他人を模倣することで

自我によく似たものを手に入れてきた

そして気付いた時にはもう自分には自我のかけらもなかった

人を繋ぐにも他人を批判し同情を誘うだけ

自我がないから他人を借りないと人さえ繋げない


発する言葉も意味をなさない

自分でも解読できない

最初から意味を有していないのだから


いずれ嘘は見抜かれる

嘘は嘘でしかないから人は自分から去っていく

去る人をどうあがいても引き止めることはできない

だって自我のない人の言葉は意味をなさないのだから

脱け殻がこの世を流浪する

脱け殻を否定するためにまた自我によく似たものを手に入れる

ある種の中毒のようにひとときの安堵と満足を手に入れる

それがこれまでの人生の手口


薄々は感じていたんだ

でもその事実を肯定したくなかったんだ

今までのすべての自分を否定してしまうことになりそうだから


だけど

嘘が見抜かれた今

肯定せざるをえない


どうしてこうなったのだろうか

きっと他人の目を気にして

他人から嫌われるのが怖くて

本来の自我を消した

他人に取り繕うように

世界がうまくまわるように

自我のない空白が占拠する脱け殻が形成されていった


いつしか世界は偽りに満ち

脱け殻である自分が生きる環境が整いすぎた


今の自分が破綻したからといって

今さら自我を取り戻せばいいというわけでもないだろう

そんな勇気もないと言った方がいいのかもしれない

この世界のすべてが壊れる可能性があるからだ


自我がすべての世界はきっと成立しないと思う

すくなからず脱け殻である部分がないと世界は成立しないと思う

きっと脱け殻である嘘の自分の方が楽で

それに甘んじすぎたのがすべての原因だ



明日も脱け殻がこの世界を流浪するだろう

しかし偽りの世界にはもうこりごりだ

だから嘘を真実にする

今の脱け殻を自我にする

今まで築いてきた虚構も

真実に変えてしまえばいい

脱け殻とは表面があって中身がない状態だ

逆に言えば表面はすでにそこに在るんだ


本来ならば核がありそれが枝分かれして表面を形成するのだろう

でも今は違う

違うならそれでいい

その逆をすればいいだけの話だ


これが悩みぬいた自分が辿りついた答え