2005年11月30日水曜日

コトバ

請うようにたかる蝿

自分の羽根の騒音に気付いていない

集ったのが枯れた花だって気付かない

危険の代償に得たものは完全なる無駄

2005年11月30日水曜日

コトバ 写真

隠すように

笑い声に混ぜた

冷たい泣き声

2005年11月30日水曜日

コトバ

逃避

逃げたっていいじゃない

君は帰ってこなくちゃいけないことが十分わかった上で

逃げてるんだから

2005年11月29日火曜日

コトバ

よわよわ

やっぱりちがった

たぶんちがった

そうねがう

2005年11月28日月曜日

コトバ

この秋という季節が

一番、色が溢れる季節

枯れゆく木々が、花々が

最後の命の灯で

世の中を染めていく季節

2005年11月28日月曜日

コトバ

メス

この社会へ法則性を見出だそうとした場合

物理現象に法則性を見出だすのとわけがちがうから

確率論的に測って、その確からしさから

ある程度の普遍化しかできないんだと思う

とはいえ政治でなく科学のメスを入れることは

社会を構造化する上で

やはり意義があると思う

2005年11月27日日曜日

コトバ 写真

ビスケット

大事にポケットに入れていたのに

粉々になっていたビスケット

2005年11月26日土曜日

コトバ 写真

責任

責任は感じるもんじゃない

2005年11月26日土曜日

コトバ

きっと答えをもとめてなんかなくて

ただただ衝動にかられて言葉を発する

そんな問いがここにはある

2005年11月25日金曜日

コトバ

踏切

踏切で遮られる前

何気なく交わした会話

踏切で遮られた後

同じ会話なのにすべてが不安定

カンカンカン

バーを下げたのは僕

カンカンカン

すべては僕の世界の話

2005年11月25日金曜日

コトバ 写真

必要

形がすべてではなくとも

言葉がすべてではなくとも

あのとき、あの瞬間

確かに必要だった

2005年11月24日木曜日

コトバ 写真

雪の笑顔


天気予報では今日は雪だって

やけに寒い風が吹き抜ける

ちらちらと粉雪が空を舞いはじめて

僕等の深い傷に染み込んだ


吐いた息が白く前を霞め

一瞬君の顔が薄れていく

冷えきって震えてる君のその細い肩を

温めるのはもう僕じゃない


夢見た理想と現実を近づけることに夢中になりすぎて

忙しい毎日の中で恋愛は影を潜めていった

気付くと君の笑顔は他の誰かのもの



だから僕を忘れて

頬に伝わる涙とめて

僕はこれ以上君の優しい笑顔に傷をつけたくないから


この降りしきる雪が君のマフラーを白く染める

そして雪化粧した君は静かに僕にそっと呟いた

ごめんね、と




いつの間にか雪は姿を消し雲が月から逃げてった


二人に残された希望の光

それは別れることだけで

さよならの言葉雪に混ぜて僕らは互いに歩きだした

二人が歩む足跡には歯痒さが埋もれていた



僕は君を忘れない

例え君が僕を忘れても

雪は明日にもすぐに溶けてしまうだろう

君もそこにはもういない


君が最後に見せた涙に濡れた雪の笑顔

別れの時までずっと君は優しく

僕にそっと呟いた

ありがと、と




時計の針が止まる頃に

今を振り返れるのなら

僕は疑わずに言えるだろう

確かに幸せだったと




だから僕を忘れて

頬に伝わる涙とめて

僕はこれ以上君の優しい笑顔に傷をつけたくないから


この降りしきる雪が君のマフラーを白く染める

そして雪化粧した君は静かに僕にそっと呟いた

ごめんね、と

2005年11月24日木曜日

コトバ

サラリサラリ

時は流れて幾星霜

今宵は満月

かくも輪郭は明確なのに

水面にうつるは焼け爛れた朧月

ドウシテボクヲウツセナイノ?

ドウシテアナタニウツラナイノ?

2005年11月23日水曜日

コトバ

コートの裏生地

ミセカケだけの優しさが評価される厳しい冬に

カンシャもされずに暖かさをもたらしたのは

ソンザイカンのないやつの仕業

2005年11月23日水曜日

コトバ

可憐

カラカラに渇いた喉が痛い

でも微笑みは顔に濡らす

ここはオアシス

楽園の一歩手前

けれど確実に楽園に続いていない