2005年7月31日日曜日

コトバ

環状線

オレンジの街灯が

真っ暗なアスファルトを照らす

想い出はやってくるものじゃない

作るものだ

夜の空気が嫌に恐かった

2005年7月30日土曜日

コトバ

真っ白なジャンボジェットが

夏空を泳ぐ

ここから君をみると

蟻よりもゆっくりとしたペースで

とっても気持ち良さそうなんだ


ラララ

ラララ

鼻唄なんか聞こえそう


そんな眩しい君を目指して

僕は真っ白な自転車を力いっぱいこいだんだ

坂もでこぼこ道も関係なく

力いっぱい


そしたら

思いきりの笑顔の

ひまわりに出会えたんだ


ここは楽園

夏の隙間に見せた

ほんの一瞬の楽園

2005年7月30日土曜日

コトバ

茜に染まった空模様

茜に染まった君のほっぺ

素敵な素敵な宝石は

いっぱい散らばってた

2005年7月30日土曜日

コトバ

生きる

心地よい苦しさを

薄っぺらい情熱を

適度な惰性を

2005年7月30日土曜日

コトバ

火傷

気付いた時にはもう火傷

危なかっしいったらありゃしない

フライパンの端の端

2005年7月30日土曜日

コトバ

どんなに埃に埋もれても

砂漠に咲いた一輪の華は

深海魚が太陽から逃げる

そのずるさに

苛立ちながらも

立ち続けることをやめなかった

どんなに埃に埋もれても

2005年7月28日木曜日

コトバ 写真

だれ

鏡に写る君はだれ?

昨日までの君はどこ?


唇を噛んで食いしばってる姿より

今の方が素敵だよ

2005年7月23日土曜日

コトバ

へんてこ

へんてこなきもち

でもね

ぼくにとってはしっかりしたきもちなんだよ

ほら

じぶんだけがどこにあるか

わかってるかたづけってあるでしょ

あれとおんなじ

2005年7月23日土曜日

コトバ

音楽

そっと奏でられた音楽

まだイントロもはじまってないけど

すばらしいサビにしよう

2005年7月23日土曜日

コトバ

知ってるからね

知ってる

そう知ってる

他人という距離感

決して埋められない距離

それに翻弄されてるだけ

そんなこと言われなくても

わかってるさ

2005年7月20日水曜日

コトバ 写真

ある日の手紙

君が見る世界

君が彩る世界


出逢いは君の新しい絵の具

経験は君の新しい絵筆


知りすぎてしまえば

塗ることをやめてしまうだろう


君色に塗る場所を

どうか失わないで

2005年7月20日水曜日

コトバ

幸せの絶頂期

幸せの絶頂期

それは放物線のような綺麗な線を描かずに

ウォークマンのイヤホンをグジャグジャにバッグに入れた時の

あの絡み具合のそれと同じように

図り知ることのない複雑さを呈しているから

どれが幸せの絶頂期か

わからないまま終わっていくんだ

でもどうか

逃す前に

掴んでください

2005年7月19日火曜日

コトバ

夢を現実に

そこには多大なる障害と

多大なる喜びが

満ちあふれている

夢を見ていたのかな

夢であればいいのかな

堂々巡り

2005年7月19日火曜日

コトバ

パンチ!

あいつにパンチ!

怒ってるとかそんなんじゃなくて

おもいっきりパンチ!

ネジがはずれていくのがわかるんだ

素手でパンチ!

もう壊さないでくれ

パンチ!パンチ!パンチ!

2005年7月14日木曜日

コトバ

ユートピア

だから人込みが嫌いなんだよ

お前、押して来るなよ

お前、歩くの遅ぇよ

お前、こっち見んじゃねぇよ

お前、話し声がうるさいんだよ

お前、居眠りして頭ぶつけてくるんじゃねぇよ


どこだよ、ここは

ユートピアだって聞いたから来たんだよ


不死鳥もいねぇし

ペガサスもいねぇ


虹色の琴もねぇし

オーロラの絨毯もねぇ


結局、ここにあるのはみんな壁だ

お前らはみんな壁だ

壁だ、壁

2005年7月14日木曜日

コトバ

反比例行動

君の

反比例行動

説いただす自分も、実は

反比例行動

2005年7月14日木曜日

コトバ 写真

無謀

無謀

そう言われるくらいの

勇気をください

2005年7月13日水曜日

コトバ 写真

シークレット

この気持ちは

トップシークレット

誰にも教えてあげないよ

2005年7月13日水曜日

コトバ

シャボン、またね

たくさんのシャボンは

空の暖かさを感じながら

花の形をうつしながら

風の音を聞きながら

水の色を見ながら

炎の輝きに驚きながら

時間の遥か彼方へ

弱々しく飛び続けたんだ

2005年7月13日水曜日

コトバ

らしく

らしく

そう、らしく

こだわらずに

でも、こだわって

らしく

2005年7月13日水曜日

コトバ

水色電話

ダイヤルもなければ

話し口もない

君にだけにつながる

世界でひとつの電話

2005年7月12日火曜日

コトバ

歌詞カード

歌詞カードがないから

このサビで何て言ってるのか

何回聞いてもわからないんだ

一番伝えたいことなんだろうけど

伝わってこないんだ

結局みんなそんなもんかな

2005年7月12日火曜日

コトバ

最高気温

今日の最高気温は

昨日より5度も低いらしい

どうりで寒いわけだ

厚着をしてくれば

こんなに体温を奪われることはなかったろう

瞳の色も限りなく冷えきってしまった

もう何も映らない

優しささえも

2005年7月12日火曜日

コトバ

バス停

時刻表のないバス停

もう行っちゃったのかな

まだ行っちゃってないかな

戸惑う心と信じる心を織り交ぜ

日傘をさしながら

待ち続ける

初夏の午後

2005年7月12日火曜日

コトバ

ガラスの破片

この鋭く尖った破片

触れれば指を切ることは十分わかっているんだ

でも美しすぎて

2005年7月8日金曜日

コトバ

ケーキ

さてこのケーキを何等分にしようか

2005年7月8日金曜日

コトバ

教えて

だれも教えてくれない

雨の降るわけを

2005年7月7日木曜日

コトバ 写真

紫陽花が雨に打たれて夏を呼ぶ

紫陽花が雨に打たれて夏を呼ぶ

そんな季節の話


夕食を食べ終えた二人は

ソファーに深々と座り寄り添っていた


いつも威勢がいい君を

冗談で攻立てた

笑いながら笑いながら

君のリアクションを楽しんでいたのに

でも君は途中で諦めて

ごめんなさいと謝った


今度は君を楽しませようと

冗談でわかりきった嘘をつく

君は嘘を信じたふりして

笑いながら笑いながら

君との会話を楽しんでいたけど

途中でそんな自分に疲れてしまい

嘘で笑わせることをやめた


二人が作った空気の間を

虚しく流れるテレビのニュース

今日も子供が人を殺めたらしい


食卓にはデザートで出された赤い西瓜

一口も食べられずに残されていた

あと一時間後には

生ゴミの袋へ捨てられているだろう


お風呂からあがってくると

君はすでに眠りにおちていた

少しの笑顔もない顔で

君は夢の何処かを彷徨っていた


カーテンを閉めて

冷蔵庫に入っていた

野菜ジュースを飲んで

そしてこの前 処方された

精神安定剤を飲んで

君のとなりに静かに横たわる



二人に降り注ぐ時間は

せっかく作った砂のお城を

無表情に壊す雨のように

残酷に二人を裂いていく


でもそんな雨に打たれても

可憐に咲き誇るは紫陽花


紫陽花が雨に打たれて夏を呼ぶ

あんなに可憐に咲きながら

あんなに可憐に咲きながら